2026.3.5 提出@令和8年3月 予算特別委員会
公金の実質価値を守れますか
中山みずほ議員が「公金の実質価値を守れますか」について質問しました。
議員、会派の意見
中山みずほ議員
令和5年6月に世田谷区公金管理方針を定めてから3年間の運用実績が積み上がり、金利上昇で名目上の運用益は増えています。しかし、重要なのは区民から預かった公金の実質的な価値を守れているかです。
2024年の消費者物価指数は前年比3.1%上昇しました。普通預金金利が0.2%なら、10億円の利子は年200万円ですが、物価上昇による実質価値の低下は3100万円で、差引き2900万円目減りする計算です。元本保証と流動性を守り、預金と債券だけで運用する制約の中でも、実質的な目減りを小さくする努力を制度に組み込む必要があります。
令和6年度の平均利回りは世田谷区が0.29%、豊島区には0.386%の事例があります。令和7年度の利子収入額と平均利回り、目標の8億6000万円を達成する見込み、安全性と流動性を守った上で現在の利回りが最善なのか、区の評価を伺います。
会計管理者
区はリーマンショック以降、積立基金を債券30%、預金70%程度で運用してきました。令和6年度は、流動性の高い財政調整基金と災害対策基金を預金で管理し、その他の基金は中期財政見通しの期間内で債券運用することを基本とした結果、債券の割合を約6割まで高めました。
令和7年度は、償還される債券を改めて5年程度で運用し、財政調整基金の一部も債券で運用して、効率性と収益性を高めています。利子収入は目標の8億6000万円を上回る約9億1000万円を見込み、利回りも令和6年度の0.29%を超える見込みです。安全性と流動性を確保した上で、効率的に運用していると認識しています。
中山みずほ議員
流動性を確保しながら、債券運用の割合をさらに増やしたり、利回りがより高い長期債券を活用したりする検討はありますか。
会計管理者
今後は学校改築が本格化し、公園やスポーツ施設の整備、その他の行政需要も見極める必要があるため、長期債券での運用は考えにくい状況です。
中山みずほ議員
より効率的な運用を目指すなら、安全性と流動性の制約の中で、利子収入額だけでなく利回りの数値目標も必要ではないでしょうか。
会計管理者
毎年度の公金運用計画は、当初予算時の中期財政見通しを踏まえて具体的な運用内容を検討し、その内容に基づく数値目標として利子収入額を定めています。
中山みずほ議員
目標がなければ検証できません。運用額が大きい世田谷区は、利回り目標も検討すべきです。また、令和12年度に債券の償還が急増することを見据えた中長期の運用戦略を伺います。
会計管理者
令和7年度の公金運用計画は、今後の財政見通しや債券償還の状況を踏まえ、従来の単年度計画から、令和9年度までの運用見通しを示す計画に改めています。
中山みずほ議員
公金を適切に運用するには、担当職員の育成と外部専門家の活用が必要です。世田谷区公金運用委員会の構成員は全員区職員で、専門家の意見を聞ける規定はありますが、定期的に関わる仕組みではありません。他自治体では、専門知識や組織的なチェックの不足が問題となった事例があります。一方、人材育成方針を文書に定め、外部研修を制度化している自治体もあります。
区の公金管理方針と令和7年度公金運用計画には、担当職員の育成が位置づけられていません。現在どのような研修機会がありますか。外部専門家は公金運用委員会へ定常的に関わっていますか。
会計管理者
異動などで新たに公金運用を担当する職員には、専門機関の研修受講を勧め、証券会社による基礎的な債券運用セミナーも受講させています。
また、証券会社での勤務経験があり、大学で会計ファイナンスの特別講師を務める専門家から、公金運用計画をつくる過程で金融状況や見通しについて助言を受け、その予算を毎年度計上しています。地方公共団体金融機構からも助言や他自治体の情報提供を受けています。
中山みずほ議員
職員研修と外部専門家への相談を予算化しているのであれば、担当者が異動しても続くよう、制度化して文書に明記してください。また、市場金利や債券価格の分析、複数の運用案の比較、職員の意思決定支援に生成AIを活用することも検討すべきです。
